デバッグルーム404

青い本-1章-

青い本を開いてみた。

1章は誰かの青春の1ページが数10ページに渡って書かれていた。

放課後の河川敷。夏の匂い。やたらと眩しい夕焼け。

部活帰りに買ったジュースの味まで、妙に細かく描写されている。

読み進めるほど、こっちが恥ずかしくなってくるくらいに、まっすぐな文章だった。

「好きだ」と言えなかった話。

言えなかったまま終わった話。

……いや、終わったと思い込んでいただけの話。

正直、手がかりになるような内容には見えない。

ただ、妙にリアルで、妙に生々しい。

まるで、他人の日記を勝手に読んでいるみたいだった。

最後のページの端に、ひとことだけ小さく書かれていた。

「あの日のことを、忘れたら終わりだ」

……誰のことだ。

そして、何が終わるんだ。

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