青い本-1章-

青い本を開いてみた。
1章は誰かの青春の1ページが数10ページに渡って書かれていた。
放課後の河川敷。夏の匂い。やたらと眩しい夕焼け。
部活帰りに買ったジュースの味まで、妙に細かく描写されている。
読み進めるほど、こっちが恥ずかしくなってくるくらいに、まっすぐな文章だった。
「好きだ」と言えなかった話。
言えなかったまま終わった話。
……いや、終わったと思い込んでいただけの話。
正直、手がかりになるような内容には見えない。
ただ、妙にリアルで、妙に生々しい。
まるで、他人の日記を勝手に読んでいるみたいだった。
最後のページの端に、ひとことだけ小さく書かれていた。
「あの日のことを、忘れたら終わりだ」
……誰のことだ。
そして、何が終わるんだ。
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