地下迷宮-戦士を倒した!-

勝った!
というか、襲いかかってきたものの、足がもつれたらしくそのまま鎧の自重に潰されて倒れ込んだというのが正しい。
よほど変なこけ方をしてしまったのだろう。なんだか股関節が可哀想なことになっている。
とりあえず近くに落ちた剣を蹴っ飛ばし、反撃できない状態にして調べてみたが、死んではいないようだ。
しかし心なしか呼吸が苦しそうだ。装備が重すぎるのかもしれない。
もう戦う気力も残っていないだろう。私は戦士の装備を苦戦しつつも剥ぎ取り、楽な体制にして壁に寄り掛からせることにした。
「この王者の鎧、喜び勇んで装備してみたがあまりにも重すぎる…」
戦士は苦々しげにそう呟いた。
「こんなもの持っていても仕方ないな…。優しい人よ。助けてくれたお礼のこの鎧を進呈しよう。」
…いらないのだが、ここでヘソを曲げていなくなられても困る。こっちは手がかりが欲しいのだ。
「あの…、ここから脱出して外に出るにはどうすれば…?」
恐る恐る尋ねてみたのだが
「外…? おかしなことを言う。外とはなんだ。ここが世界であり、ここが外だ。」
全く意味がわからない。
「ともあれ、礼を言う。お蔭で今日も無事生き永らえることができた」
…あの状態を無事と言うのならそれはそれでいいのだが、彼はずっとこの地下迷宮にいるのだろうか。
「と言うわけで、拙者は帰る。そなたも元気でな!」
そう言い残して戦士はまるで幽霊のように霧となり、そして消えた。
重いだけの派手な王者の鎧とやらだけを残して。
彼はなんだったんだ?
Lv134/182
